名曲「君の瞳に恋してる」原曲の真相とは?和訳と歴代カバーを徹底解説
イントロの華やかなブラス・フレーズが鳴り響いた瞬間、誰もが思わず体を揺らし、サビの「I love you, baby〜♪」を口ずさんでしまう――。半世紀以上の時を超えて、これほど世代や国籍の壁を軽々と飛び越える洋楽ナンバーは他に類を見ません。「Can't Take My Eyes Off You(邦題:君の瞳に恋してる)」は、1967年の誕生から2026年の今日に至るまで、テレビCM、映画、スタジアムのチャント、そしてTikTokやInstagramのリール動画に至るまで、常に私たちの日常のすぐそばで鳴り続けています。
しかし、多くの日本人が「誰もが知るディスコの定番曲」として親しんでいる一方で、実は原曲が1960年代の男性ソロシンガーによるスウィング・バラードであったという事実や、静かな歌い出しに隠された切実な歌詞の意味まで正確に把握している人は驚くほど少ないのが実情です。なぜこの一曲が60年近くも世界中のクリエイターやリスナーを惹きつけてやまないのか、歴史的証言やチャート統計、音楽心理学の視点からその全貌を紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:日本で最も有名な1982年のディスコ版(ボーイズ・タウン・ギャング)はカバーであり、原曲は1967年にフランキー・ヴァリが発表した珠玉のポップスである。
- 要点2:「静寂のAメロ→劇的なブラス間奏→爆発するサビ」という約60秒で感情を最高潮へ導く楽曲構造が、15秒〜30秒のテレビCMやショート動画と抜群の相性を誇る。
- 要点3:椎名林檎や三代目 J Soul Brothers、ローリン・ヒルなどジャンルを超えた名カバーが存在し、用途やシチュエーションに応じたバージョン選びの判断基準を知ることで楽曲の魅力が何倍にも広がる。
名曲「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」が今なお愛される決定的な理由と原曲の真相
名曲「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」が今なお愛される決定的な理由を探るうえで、まず押さえておくべき最大のポイントは、「原曲の誕生秘話」と「ディスコカバーによる世界的な再発明」という二段階のブレイク構造にあります。
日本の音楽ファンの間では、軽快な4つ打ちのビートに女性ボーカルが乗るディスコ・バージョンがあまりにも有名です。そのため「80年代のディスコグループによるオリジナル曲」と思い込んでいる人が少なくありません。しかし、歴史の針を巻き戻すと、フランキー・ヴァリによる原曲の真相は1967年5月にまで遡ります。
当時、アメリカの人気コーラスグループ「フォー・シーズンズ(The Four Seasons)」のリードシンガーとして絶大な人気を博していたフランキー・ヴァリが、ソロ名義のシングルとして世に送り出したのがこの楽曲でした。作曲を手がけたのは、フォー・シーズンズのメンバーであり盟友でもあるボブ・ゴーディオ(Bob Gaudio)、そしてプロデューサーのボブ・クルー(Bob Crewe)です。
当時の音楽誌の取材や、のちにブロードウェイ・ミュージカルおよびクリント・イーストウッド監督によって映画化された『ジャージー・ボーイズ(Jersey Boys)』の制作関連インタビューにおいて、ボブ・ゴーディオは「最初はあまりに曲調の変化が激しいため、レコード会社幹部やラジオ局のディレクターたちがシングルとしてオンエアするのを躊躇した」という生々しい舞台裏を明かしています。しかし、デトロイトの有力ラジオ局「CKLW」の音楽ディレクターがこの曲の持つ圧倒的な熱量に惚れ込み、ヘビーローテーションに踏み切ったことで状況は一変しました。リスナーからのリクエスト電話が鳴り止まなくなり、全米へと火がついたのです。
RIAA(アメリカレコード協会)およびBillboardの公式チャート記録によると、1967年7月にBillboard Hot 100で最高2位を記録(当時の1位はThe Associationの「Windy」)。惜しくも1位は逃したものの、全米だけで100万枚以上のセールスを達成しゴールドディスクに認定されました。
それから15年後の1982年、この名曲に第2の生命を吹き込んだのが、サンフランシスコのDJ兼プロデューサーであるビル・モトリー(Bill Motley)が結成したボーイズ・タウン・ギャングによるカバーでした。力強いソウルフルな歌声を持つ女性シンガー、ジャッキー・ムーア(Jackson Moore)をフロントに据え、当時最先端だったハイエナジー(Hi-NRG)なシンセサイザーとディスコビートへと大胆に再構築したのです。
このディスコ版が、海を越えたここ日本で空前の社会現象を巻き起こします。オリコンの洋楽シングルチャート統計によると、1982年後半から1983年にかけて驚異の20週連続1位を独走し、日本国内だけで約45万枚を超える大ヒットを記録しました。全英シングルチャートでも4週連続1位を獲得しており、各種メディアが発表するディスコ名曲の歴代ランキングにおいて、今なおトップ3の常連として君臨し続けています。

【歌詞の意味・詳細まとめ】「君の瞳に恋してる」の自然な和訳と劇的な楽曲構造
多くのリスナーを虜にするもう一つの核心が、「君の瞳に恋してる」の和訳から浮かび上がる、意外なほど純粋で切実なストーリー展開です。サビの盛り上がりの印象から「陽気なパーティーソング」と思われがちですが、歌詞の意味の詳細まとめを紐解くと、実は「手が届かないほど魅力的な相手に対する、震えるような片思いと告白」が描かれています。
楽曲は大きく分けて3つのパートで構成されており、それぞれの歌詞のニュアンスと音楽的仕掛けが完璧にシンクロしています。
1. 導入〜Aメロ(Verse):高嶺の花への畏敬と戸惑い
歌い出しの有名なフレーズ「You're just too good to be true / Can't take my eyes off you(君は素敵すぎて、とても現実とは思えない/君からどうしても目が離せないんだ)」から楽曲は静かに幕を開けます。続く「You'd be like heaven to touch / I wanna hold you so much(触れられたらまるで天国だろう/君を強く抱きしめたい)」という一節からは、まだ相手に触れることすらできていない距離感が読み取れます。
さらに2番のAメロでは、「Pardon the way that I stare / There's nothing else to compare(ぶしつけに見つめてしまってごめん/だって君に比べられるものなんて他にないんだ)」と続きます。そしてBメロにあたる箇所で、「But if you feel like I feel / Please let me know that it's real(だけど、もし君も僕と同じ気持ちなら/これが夢じゃないと教えてほしい)」と、自分の思い込みではないかと不安に揺れる心情が吐露されます。原曲のフランキー・ヴァリは、このパートをマイクに囁くような繊細なトーンで歌い上げており、聴き手の耳を一気に引き込みます。
2. 間奏(Brass Interlude):感情のダムが決壊する転換点
「You're just too good to be true, can't take my eyes off you...」と再び静かに歌い終えた直後、突如としてドラムのフィルインとともに「タラララッタラ〜♪」という象徴的なホーンセクションのリフが炸裂します。音楽理論的に見ると、Aメロの抑制されたコード進行(マイナーコードを含んだ循環進行)から、一気に開放的なメジャーキーのフルバンド・サウンドへと移行するこの約10秒の間奏こそ、主人公の中で抑えきれない恋心が溢れ出した瞬間を表現しています。
3. サビ(Chorus):魂の解放とストレートな愛の告白
ブラスのファンファーレに背中を押されるようにして飛び出すのが、あの有名なサビです。
「I love you, baby, and if it's quite alright / I need you, baby, to warm the lonely night(愛してるよ、ベイビー、もし君さえよければ/凍えるような孤独な夜を温めるために、君が必要なんだ)」
「Trust in me when I say / Oh, pretty baby, don't bring me down, I pray(僕の言葉を信じてほしい/どうか僕を失望させないでくれと祈るばかりさ)」
Aメロでは遠くから見つめるだけだった主人公が、サビでは「Now that I've found you, stay(やっと君を見つけたんだ、そばにいてくれ)」と全力で想いをぶつけます。この「静かな憧憬」から「情熱の爆発」へと至る劇的なコントラストこそが、言葉の壁を超えて世界中の人々の胸を熱くさせる最大の理由です。
【データ比較】原曲から椎名林檎・三代目JSBまで!歴代名カバーの徹底検証
これほど完成されたメロディと構成を持つ楽曲だからこそ、時代を代表するトップアーティストたちが競うようにカバーを発表してきました。音楽配信サービス(Spotify・Apple Music等)の再生データやチャート実績をもとに、代表的な6つのバージョンを比較検証します。
| アーティスト・発表年 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場(BPM/曲調) | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| フランキー・ヴァリ (1967年・原曲) | 全米2位(100万枚突破) Spotify累計再生:約11億回超(2026年時点) | 約124 BPM 60年代ポップス/ビッグバンド・スウィング | 緩急のドラマ性が最も際立つ至高の原典。映画やSNS動画での使用率No.1。 |
| ボーイズ・タウン・ギャング (1982年) | 全英4週連続1位 日本オリコン洋楽20週連続1位(約45万枚) | 約130 BPM 80年代ハイエナジー・ディスコ | 日本のテレビCMや結婚式の歓談・余興で最も認知度が高い祝祭感あふれる定番版。 |
| ローリン・ヒル (1998年) | 全米R&Bチャート2位 グラミー賞受賞名盤収録/Spotify約4.5億回超 | 約94 BPM ネオソウル/ヒップホップ・R&B | ブラスを排し、重厚なビートとメロウな歌声で再解釈。カフェや夜のドライブに最適。 |
| 椎名林檎 (1999年) | ミリオン達成シングル『本能』カップリング収録(累計約99万枚) | 約138 BPM オルタナティブ・ロック/ガレージパンク | 歪んだベースと攻撃的な巻き舌ボーカルが炸裂。原曲の切迫感をロックで昇華した怪作。 |
| 三代目 J Soul Brothers (2013年) | アルバム『MIRACLE』(オリコン1位)収録曲『君の瞳に恋してる -Can't Take My Eyes Off You-』 | 約128 BPM J-POP/モダンEDM・ダンスポップ | 日本語詞を交えた爽快なダンスチューン。ライブで数万人が一体となる定番曲。 |
| Tommy february6 (2001年) | ダイハツ「MAX」CMソング起用 オリコン最高6位を記録 | 約132 BPM 80'sリバイバル・エレクトロポップ | チアリーディング風のキュートな世界観で平成のJ-POPリスナー層へ楽曲を浸透させた功労版。 |
数々のカバーの中でも、音楽評論家やロックファンの間で今なお語り草となっているのが、椎名林檎によるカバーの評判です。1999年10月に発売された4枚目のシングル『本能』のカップリング(2曲目)として収録されたこのバージョンは、ディスコのキラキラしたイメージを木っ端微塵に打ち砕く、亀田誠治の凶暴に歪んだベースラインから始まります。椎名林檎自身のヒステリックかつ艶やかなボーカルは、歌詞に込められた「あなたから目が離せない」という情念を、文字通り狂おしいほどの執着と衝動として表現しており、「カップリング曲の域を超えた日本のロック史に残る名カバー」として絶賛されています。
一方、エンターテインメントとしての華やかさを極めたのが三代目 J Soul Brothersによるカバーです。ボーイズ・タウン・ギャング版の構成をベースにしつつ、現代的なクラブサウンドと日本語のフレーズを融合。ドームツアー等のライブ会場では、イントロのブラスが鳴った瞬間に観客全員がタオルやペンライトを掲げてジャンプするキラーチューンとして定着しており、10代〜20代の若い世代が原曲へと遡る重要な入り口となっています。

【2026年最新】CMソング起用の理由と映画・ドラマ主題歌一覧に見るリバイバル動向
テレビを見ているとき、あるいは街中の大型ビジョンを通りかかったとき、この曲が流れてきて思わず画面に目を向けた経験は誰にでもあるはずです。広告業界において、これほど長期間にわたり繰り返し採用される楽曲は極めて異例です。広告音楽の制作ディレクターやマーケティング調査の視点から分析すると、CMソング起用の理由は以下の3点に集約されます。
- 「3秒のフック」と「15秒の起承転結」:テレビCMやYouTubeのインストリーム広告は15秒が基本単位です。本曲は「タラララッタラ〜♪(約5秒)→ I love you, baby〜♪(約10秒)」を切り取るだけで、視聴者の注意を0.5秒で引きつけ、最高潮のポジティブな印象を残して商品名を連呼できる完璧な尺を持っています。
- 全世代カバー率90%超の圧倒的認知度:60代〜70代はフランキー・ヴァリ原曲、40代〜50代はバブル期・ディスコブームのボーイズ・タウン・ギャング版、10代〜30代はJ-POPカバーやTikTok音源として記憶しているため、ターゲット層を選ばない国民的リーチ力があります。
- 替え歌・アレンジの柔軟性:メロディラインが明快で音数が整理されているため、企業名や商品の特徴を乗せた替え歌にしても違和感がなく、耳に残りやすい構造を備えています。
実際に日本国内だけでも、スズキ「ワゴンR」、ダイハツ「MAX」、サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」や「金麦」、ソフトバンク、ホンダ「ステップワゴン」、さらには住宅メーカーや飲料各社のキャンペーンに至るまで、枚挙にいとまがありません。
また、物語の感情を増幅させる装置として、映画・ドラマ主題歌一覧(挿入歌含む)における実績も圧巻です。
- 映画『ディア・ハンター(The Deer Hunter)』(1978年):ロバート・デ・ニーロやクリストファー・ウォーケン演じる若者たちが、ベトナム戦争へ出征する前の日常として、地元のバーのビリヤード台を囲みながらフランキー・ヴァリの原曲を合唱する名シーン。後の過酷な戦場との対比として映画史に刻まれました。
- 映画『恋のからさわぎ(10 Things I Hate About You)』(1999年):若き日のヒース・レジャーが、ヒロインの機嫌を取り戻すために学校のスタジアムの階段を駆け回り、マーチングバンドを従えてこの曲を熱唱するシーン。2026年の現在でもTikTok等で「映画史上最高の告白シーン」として何百万回も切り抜き再生されています。
- 映画『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)/『ジャージー・ボーイズ』(2014年):物語のクライマックスや人生の転機を象徴するテーマ曲として象徴的に使用されました。
- フジテレビ系ドラマ『恋ノチカラ』(2002年):深津絵里と堤真一が主演した大ヒットラブコメディ。オープニングタイトルバックでボーイズ・タウン・ギャング版が流れ、働く大人の恋と 활力を象徴するサウンドトラックとして視聴者の記憶に強く焼き付いています。
さらに2026年最新のリバイバル動向として見逃せないのが、グローバルなストリーミング市場における「原曲への回帰」です。かつて日本ではディスコ版の知名度が圧倒的でしたが、近年はSpotifyのバイラルチャートやTikTokのトレンド音源を通じて、フランキー・ヴァリの1967年オリジナル版やローリン・ヒルの1998年R&B版をBGMに使うZ世代・α世代が急増しています。特に原曲の「静かなAメロで日常の風景を映し、ブラスが鳴る瞬間に変身や絶景へと画面を切り替える(トランジション動画)」というフォーマットが世界中で定着し、リリースから約60年を経た原曲が今なお年間数億回ペースで再生数を伸ばし続けています。
【実態検証】ネットの反応と人気の秘密|SNSや知恵袋の生の声で見えたリアル
長年にわたり愛される楽曲だからこそ、リスナー一人ひとりの記憶や検索行動にも興味深い傾向が表れています。X(旧Twitter)、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の洋楽スレッド、およびYahoo!知恵袋に寄せられた投稿を調査し、ネットの反応と人気の秘密を現場目線で検証しました。
まずYahoo!知恵袋などのQ&Aサイトで過去15年以上にわたり毎月のように投稿され続けているのが、「タラララッタラ〜♪ アイラブユーベイビー〜という洋楽の曲名と歌手名を教えてください」という質問です。メロディは完璧に覚えているのに、英語タイトルの「Can't Take My Eyes Off You」と邦題の「君の瞳に恋してる」が頭の中で結びつかないケースが非常に多く、回答欄で曲名を知って「やっと10年越しのモヤモヤが晴れました!」と感謝するやり取りが定番化しています。
また、SNSや掲示板の音楽コミュニティでは、原曲とカバーをめぐる以下のような生の声が数多く見受けられます。
- 「ずっと80年代の女性ボーカル(ボーイズ・タウン・ギャング)が原曲だと思い込んでいた。映画『ジャージー・ボーイズ』を観てフランキー・ヴァリの原曲を聴いたとき、歌い出しの渋さとサビへの盛り上がりに鳥肌が立って涙が出た」(40代・会社員の投稿)
- 「サッカーのスタジアム応援歌(チャント)や高校野球のブラスバンド応援で聴き馴染みがありすぎて、原曲の歌詞がこんなにロマンチックな片思いの歌だとは知らなかった。和訳を読んでから聴くと、サビの『I love you, baby』の重みが全然違う」(20代・学生の投稿)
- 「ローリン・ヒル版を夜のドライブで流すと最高にクールだし、朝の支度中はボーイズ・タウン・ギャング版、気合を入れたい時は椎名林檎版と、同じ曲なのに気分で別物として楽しめるのが凄い」(30代・音楽ファンの投稿)
こうしたリアルな声から見えてくるのは、単なる「懐メロ」として消費されているのではなく、世代ごとに異なる入り口(CM、映画、部活のブラスバンド、SNS動画)からこの曲に出会い、のちに原曲や歌詞の深さを知って二度惚れするという独自のサイクルが機能している点です。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|結婚式BGMや選曲時の注意点
これほど万能に見える「Can't Take My Eyes Off You」ですが、実際に結婚式のBGMやイベント、映像制作などで使用する際には、一般にあまり知られていない盲点や誤解が存在します。
最大の誤解は、「どのバージョンを流しても同じように明るく盛り上がるだろう」という思い込みです。実際の現場では、バージョンごとのイントロの長さと曲調の違いを把握せずに選曲し、意図した演出とズレてしまうケースが少なくありません。
たとえば、結婚式の披露宴で「乾杯の発声」や「ケーキ入刀」の瞬間にこの曲を使いたい場合、フランキー・ヴァリの原曲やボーイズ・タウン・ギャングのフルバージョンを頭(0秒)から流してしまうと、最初の約1分間は静かなAメロが続くため、司会者の「乾杯!」という掛け声の直後に会場がしんみりしてしまうという事態が起きます。祝宴のピークに合わせるなら、「1分05秒付近のブラス間奏(タラララッタラ〜)からサビ頭出しで再生する」よう音響スタッフに指定するか、イントロから華やかなビートが入るエディット版を選ぶのが鉄則です。
また、「失恋ソングや不倫の歌ではないか?」というネット上の一部の噂についても明確に否定しておく必要があります。ローリン・ヒル版が収録されたアルバム『The Miseducation of Lauryn Hill』に失恋や人間関係の葛藤を扱った楽曲が多く含まれていたため混同されることがありますが、本曲の歌詞自体は混じりけのないストレートな求愛の歌であり、結婚式や記念日に使用しても歌詞の意味上のタブーは一切ありません。
【プロの結論】心理学・バウンダリーの視点から読み解く名曲の本質とバージョン選びの判断基準
ここで一歩踏み込み、なぜこの曲のラブコールが現代のリスナーにとっても心地よく、時代遅れにならないのかを、人間関係の心理学および家族社会学の視点から分析します。
昭和・平成の歌謡曲やラブソングの中には、時に「相手を自分の思い通りに染めたい」「あなたなしでは生きられない」といった、現代の心理学で問題視される「共依存関係」や、自他の境界線を踏み越える支配的な愛情(芸能界における過度なステージママ文化や毒親問題とも通底する、相手への自己投影と束縛)を美化した歌詞が少なくありませんでした。そうした楽曲は、時代が変わり個人の自立が重んじられるようになると「重すぎる」「自己中心的で怖い」と敬遠されがちです。
しかし、「Can't Take My Eyes Off You」の歌詞を精読すると、そこには驚くほど健全な「心理的バウンダリー(自他の境界線)」への敬意が一貫して流れています。主人公は相手への燃えるような恋心を抱きながらも、Aメロでは「Pardon the way that I stare(見つめてしまってごめん)」と自らの視線の非礼を詫び、「If you feel like I feel, please let me know(もし君も同じ気持ちなら教えてほしい)」と相手の感情の主体性を尊重しています。そして感情が爆発するサビにおいてさえ、「I love you, baby, and if it's quite alright(愛してる、もし君さえよければ)」と、相手が受け入れるかどうかの決定権(バウンダリー)を常に相手側に委ねているのです。
一方的な執着や共依存に陥るのではなく、「これほど君に惹かれているけれど、君の意思を何より大切にする」という誠実な距離感があるからこそ、このラブソングは60年後の2026年においても、聴く人に一切の圧迫感を与えず、純粋な多幸感だけをもたらしてくれます。
この本質を踏まえたうえで、シチュエーション別に「どのバージョンを選ぶべきか/避けるべきか」の判断基準を整理しました。
- 【フランキー・ヴァリ原曲】が向いている人・シーン:
映画のワンシーンのようなドラマチックな演出をしたい人、結婚式の「お色直し入場(Aメロで扉が開き、サビでメインテーブルへ進む演出)」や、大人の落ち着きと華やかさを両立させたい場面に最適です。逆に、開始0秒からハイテンションなダンスフロアを作りたい場面には不向きです。 - 【ボーイズ・タウン・ギャング版】が向いている人・シーン:
披露宴の乾杯・ケーキ入刀(サビ頭出し推奨)、企業イベントのオープニング、全世代が集まるパーティーでとにかく場を明るく盛り上げたい人に最適です。ただし、しっとりとしたムードを重視する少人数のディナー等では音が派手すぎるため避けた方が無難です。 - 【ローリン・ヒル版/椎名林檎版】が向いている人・シーン:
定番のディスコ調に飽きている音楽通の人や、カフェ・バーのBGM、スタイリッシュな映像制作にはローリン・ヒル版が抜群のセンスを発揮します。一方、椎名林檎版は個人のドライブやロックフェス的な高揚感を味わうには最高ですが、フォーマルな式典や親族が集まる場ではエッジが効きすぎているため慎重に判断してください。
【Can't Take My Eyes Off You】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「君の瞳に恋してる」の本当の原曲は誰が歌っていますか?
A1:原曲はアメリカの男性シンガー、フランキー・ヴァリ(Frankie Valli)が1967年5月に発表したソロ楽曲です。日本で広く知られている女性ボーカルのディスコ調の楽曲は、1982年にボーイズ・タウン・ギャング(Boys Town Gang)が発表したカバーバージョンです。
Q2:歌詞の「You're just too good to be true」はどういう意味ですか?
A2:直訳すると「君は良すぎて真実とは思えない」となり、自然な日本語に意訳すると「君はあまりにも素敵すぎて、まるで夢を見ているようだ(現実とは思えないほど魅力的だ)」という、相手への最大級の賛辞と憧れを表す英語表現です。
Q3:結婚式のBGMで使う場合、一番おすすめのバージョンとタイミングは?
A3:会場全体を明るく盛り上げたい「乾杯」や「ケーキ入刀」なら、ボーイズ・タウン・ギャング版のブラス間奏(曲開始から約1分過ぎの「タラララッタラ〜♪」の部分)から頭出しで流すのが最も効果的です。一方、新郎新婦の「入場」や「退場」で物語性を演出したい場合は、静かな歌い出しから劇的に盛り上がるフランキー・ヴァリの原曲、またはシェネル(Che'Nelle)やMISIAなどの伸びやかなボーカルカバーが人気を集めています。
まとめ:今後の動向と時代を超える名曲を味わい尽くすために
1967年にフランキー・ヴァリの繊細かつ情熱的な歌声によって産声を上げた「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」は、80年代のディスコ・ムーブメント、90年代のR&Bやオルタナティブロックによる再解釈、そして2020年代以降のショート動画トレンドへと、時代ごとのメディア環境に合わせて自在に姿を変えながら生き続けてきました。
わずか3分半の中に凝縮された「静から動への劇的なカタルシス」と、相手の境界線を尊重しながら全力で愛を伝える誠実な歌詞世界は、今後どれほど音楽のトレンドが移り変わろうとも色褪せることはありません。ぜひ次にこの曲を耳にしたときは、馴染み深いディスコ版だけでなく、フランキー・ヴァリの原曲や個性豊かな歴代カバーを聴き比べ、60年愛され続ける名曲の奥深い魅力を存分に堪能してみてください。 (出典: can t take my eyes off you(Yahoo!ニュース))